ももクロ・有安杏果、ソロ活動で「アイドルとしてはできないことをやりたい」



――ももいろクローバーZでは、メンバーのソロ活動が増えてますね。

有安杏果 去年、私が初めてソロライブを横浜アリーナでやったとき、
メンバーが全員観にきてくれて。

その後も、あーりん(佐々木彩夏)の公演を観に行きました。

いろいろなあーりんを見せてくれる演出で、
エンタテインメントとして素晴らしいライブでしたね。

『ももたまい婚』(百田夏菜子と玉井詩織のユニットのライブ)はDVDで観て、
昔のももクロのイベントを思い出すようなあたたかい感じだなと。

(高城)れにのライブはMCも含めて背伸びをしない等身大。観ていて心地良かったです。



――百田さんが女優として出演したNHK朝ドラ『べっぴんさん』も観てました?

有安杏果 早起きが苦手なので(笑)、溜め録りをしてオフの日にまとめて観ていました。
ももクロのときとは違う夏菜子でしたね。

――有安さんのソロは持ち前の歌唱力を生かし、作詞・作曲も手掛けて、1stアルバム『ココロノオト』も音楽性の高い作品になりました。

有安杏果 メンバーがそれぞれ自分にしかできないことをしていて、「私も私にしかできないものをやりたい」と思って挑戦はしました。

――レコーディング作業も、ももクロとソロでは全然違います?

有安杏果 そうですね。グループのときは、
直前に出来上がった状態の曲をいただいて、自分のパートを歌うんです。

でもソロだと、自分で作る曲に関しては、まず鼻歌を録ってスタッフさんに渡すところから始まって。

――鼻歌で作曲しているんですか?

有安杏果 歩いているときなどに浮かんだメロディを吹き込んで、
家に持ち帰って繋げていく感じです。

それをアレンジしてもらったのを聴いて、イメージと違っていたら
「ここはこうしてください」とか何回もキャッチボールします。

だから曲が出来上がるまでにすごく時間かかって、
レコーディングするときは「やっと…!」みたいな(笑)。

――歌録りに関しても、今回の特典映像の「ヒカリの声」のメイキングを観ると、
かなり細かいところまでこだわっていましたね。ああいうことを全曲に渡って?


有安杏果 ミックスにもできるだけ行って、
自分のフィーリングなりに「ここの音は…」ということは言ってます。

ジャケット写真やミュージックビデオの衣装も全部自分で買いに行きますし、
セルフプロデュースという感じです。

でも、レコーディングが大変だと思ったことは全然ないですね。

今年3月まで学生でもあったので、大学、ももクロ、
ソロという両立がとにかく大変でした。

グループの仕事が終わった後でレコーディングや打ち合わせに行ったり、
家に帰ってきて夜中に曲を作ったり。基本、休みの日はソロのことをやっていました。

――実質、休みはなかったと。

有安杏果 自分のやりたいことをやらせてもらっているので、苦にはなりません。逆に、すごくありがたいです。

――そんななかで、日本大学芸術学部も4年で卒業したんですよね?

有安杏果 それも自分で決めたこと。「朝、早いな」と思いながら
電車やバスに乗り、同い年の子たちと授業を受けて、
ときには学食でごはん。

そういう普通の生活を送ることが、私にとって大事でした。

今までの人生では、修学旅行も一度も行けなかったから。

大学に行かなかったら365日お仕事だったと思います。

「同年代の子たちはこんなことで悩んでいるんだ」
「こんな恋愛をしているんだ」ということも知って、
そういう生活のなかで生まれた曲がほとんどなんです。

――音楽的には、有安さんが影響を受けたアーティストというと?

有安杏果 小6の頃に聴いた絢香さんの1stアルバム『First Message』が大好きで、
曲順に全部歌えます。

ももクロに入るときも含めて、オーディションで歌ったのはほぼ絢香さんの曲でした。

あとダンスもやっていたので、BoAさんみたいに歌いながら踊ることにも憧れていました。

――ももクロはアイドルですが、ソロ歌手の有安杏果さんは?

有安杏果 せっかく1人でやらせていただくのだから、
普段アイドルとしてはできないことをやりたいです。

1人の人間として思っていることを裸のまま言葉にして、曲やライブにできたら。

――自作詞は“あの夢はかなわない”とか“毎日嫌なことたくさんあるけど”といったところから入って、“でも頑張る”みたいな内容が多いですよね。「何かあった?」と勘繰ってしまいます(笑)。

有安杏果 タイトルの『ココロノオト』は“心ノート”にも掛けてあって、
もともと自分の言葉を書き溜めていたノートがあるんです。

そのノートから抜粋して詞を書いたりもしていて、
アルバムの曲順は出来上がった順番に並べました。

1曲目の「心の旋律」は中高生の頃に書いた言葉。私、ノドを壊したことがあったんですけど…。

――ライブにダンスだけで参加していた時期がありましたね。

有安杏果 声を出せなかった分、ノートには“歌いたい
歌いたい”とかたくさん思いを書いていて、
それを1曲にしたのが「心の旋律」です。

でも、辛いことは今年に入って作った「色えんぴつ」や「ヒカリの声」
でも書いているから、その頃だけ思っていたわけではないですね。

楽しいことがあれば辛いこともあるし、イヤなことがあってもいつかは楽しいことある。いつもそう思っています。

――「ハムスター」の“気づけばそこにいるのは自分じゃなかった”は、トップアイドルとしての影の葛藤が出ていたり?

有安杏果 それは初めて言われました(笑)。

特に「あのときはこう思っていた」というのはないですけど、
やっぱりガムシャラにやっていると、
自分がどこにいるのかわからなくなるときもあるので。

たぶん、そういう思いを書いたんだと思います。

――「Catch up」は珍しく恋愛の詞です。

有安杏果 これは大学1年のとき、同じ芸術学部で音楽を学んでいる子と
一緒に曲だけ作ったまま、ずーっと寝かせていたんです。

ソロライブに向けてアレンジし直してもらったのを聴いて、
等身大の自分で書くとネガティブな詞になりがちだから(笑)、
女の子の可愛い恋心の妄想を膨らませて作ろうと思いました。

友だちの話やドラマから「自分だったらこうなるだろうな」
というのを箇条書きにしたら、バーッといっぱい出てきたんですけど、
なかなか1曲に組み立てられなくて。

こっ恥ずかしいさもあったから(笑)、
1人では完成できないと思って、アレンジしてくれたOSTER Projectさんに
共作で助けてもらいました。



――ネガティブという話もありましたが、最新作の「ヒカリの声」では“辛いときはいつだって君の目印でいる”とか、アーティストとしての使命感みたいなものも出ていて。

有安杏果 ソロライブをやった経験が大きいです。

たくさんの人が私を観に来てくれて、声援や拍手をくれたなか、
スポットライトを1人で浴びて。

その“ヒカリ”を思い出して作りました。私もしんどいときがあるし、
みんなもたぶんある。

みんなと会えたときは私から光を送りたいし、私もみんなから光をもらっている。

トンネルにいても絶対に光が待っているから…。そういう思いを込めました。

――今後はももクロとソロ活動はどんなバランスでやろうと?

有安杏果 ももクロをやっているから、今度ソロで日本武道館にも立たせてもらえるので、
やっぱりグループの活動を第一にします。

でも、武道館でもその前の仙台(サンプラザホール)でも、
私からみんなに届けたいことはあります。

「小さな勇気」を(熊本地震と東日本大震災のチャリティソングとして)
作ったときから仙台には行きたいと思っていたので
、1年越しで歌いに行けるのが嬉しくて。

武道館ではソロ活動を始めてからの総決算をみんなに届けたいから、

またいろいろ詰め込むと思います。何か幸せすぎて、
逆に「この先はどん底かも」って怖くなりますけど(笑)、
今の環境にすごく感謝しています。




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