嵐が見せた決意表明とは?

嵐が見せた決意表明とは?



2016年の年末、そこにいたのはひたむきで懐かしい嵐


 久しぶりに、“懐かしい嵐”を見た気がした。

オリコンをはじめとした、“行ってみたいライブ”のアンケートで
ここ何年も1位を独走中の嵐だが、
今回のライブ『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?』は、
彼ら本来の持ち味である“ひたむきさ”のようなものが前面に出ていて、
前半は、正直そのことが少し意外だった。

 でも考えてみれば、彼らのライブではいつも、
そこに参加した人たちの胸に心地良い風と熱とを巻きおこしてきた。

デビュー曲「A・RA・SHI」の歌詞にある“風を集める”
という言葉の意味は、毎回松本潤の煽りにあるような、
“幸せになる準備”そのものだ。

ライブが進んでいくにつれて、だから確信することができた。

嵐のライブで、自分もまた風や熱の一部になること。

それこそがARASHIがくれる最高のハッピー感であることを。

近年のショー的なライブから、生のハッピー感へのこだわりへ

 ここ数年の嵐の全国ツアーといえば、
アルバム同様に非常にコンセプチュアルなものが続いていた。

2013年は“LOVE”、2014年は“DIGITALIAN”、2015年は“Japonism”。

360度のステージで圧倒的にピースフルな世界観を生み出したり、
コンピュータ制御されたファンライトで、
ドーム内を5万5000人と作り出す空間芸術として成立させたり、
日本の伝統芸能とタッグを組んで、
パワフルかつ幻想的な空間を創出したり。

特にここ3年は、“体験”としての話題性が先行するような、
ショー的な側面が強く、それはそれでトップアーティストしか
成立させえない、堂々たる“作品”だった。

 けれど、今回彼らがこだわったのはサプライズや刺激、
斬新さ以上に、ハートフルな触れ合いであり、
そこから生まれるリアルなハッピー感だったのだろう。

コンサート制作の舞台裏を映し出すドキュメント映像から始まり、
バンドメンバーによるこだわりの“生音”が響き渡った後で登場した5人は、
まず、“歌うこと”に集中していて、その声に乗せた想いが、
矢のように聴き手の心に届く。

そんなシンプルなオープニングの演出が、かえって新鮮だった。


誰もが知る曲と五人五様の煽り、観客を巻き込む参加型ライブ

 ファンではない人に、嵐を一つの肩書きで説明するなら、
“ライブアーティスト”と表現するのが一番ピッタリくる。

誰もが聴いたことのあるキャッチーなヒット曲をたくさん抱えているせいか、
ライブ初心者でも決して置いてきぼりにはさせないのが嵐の強みなのだけれど、
実は定番曲の“お約束”は非常に多い。

それを、嵐の5人は煽りのうまさでカバーする。

櫻井翔のラップの流れからのコール&レスポンスは声で
会場を一つにするのに打ってつけだし、松本潤はライブの指揮官として
冷静に全体を見回しながら、楽しさを全身で表現する。

年齢とか、性別とか、人種とか、芸能人とか、所属とか、
そんなものは関係なく、ただの“ハッピーの申し子”になる瞬間が続いて、
その爆発するハッピー感に、観る側も心踊らされる。

大野智の、常に歌に誠実に向き合いながらウチワの
メッセージにちゃんと応えていく驚異の才能には感服するし、
スーパーアイドル相葉雅紀は、体を大きく使って、歓喜の感情を
客席とシェアしていく。

二宮和也は、歌声も煽り声も誰より男性的で、
でも妖艶で、内包する憂いと相まって、観衆の目を集める磁力がすごい。

5人は、歌い踊ることで一つ一つの楽曲の世界観を成立させながら、
多彩な煽りで歓喜の嵐の中に観客を巻き込んでいくのだ。

 今回は、ペンライトが“DIGITALIAN”のファンライトと同様、
楽曲ごとに光り方がコンピュータ制御されていた。

それもあって、いつも以上にファン参加型のライブになっていて、
大好きな嵐に会える幸福、嵐と同じ時間を過ごせる幸福、
美しい音楽に包まれる幸福の他に、
無意識的に“自分もまた今ここで生まれている
風や熱やアートの一部になっている幸福”も味わえたのだろう。

色や光り方は制御されても、その“揺れ”は観客の腕が
生み出している生モノで、それが約3時間のライブ中完璧に
シンクロしていて、圧巻だった。


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