ドラマ“あなそれ”主題歌のバンド初登場!

ドラマ“あなそれ”主題歌のバンド初登場!



覆面バンド、隠したいのは「正体じゃなくて、自分たちの表情」

昨年11月、YouTubeで彼らの1stミュージックビデオ「だから僕は不幸に縋っていました」が公開されるやいなや話題を集め、再生回数は無名バンドとしては異例の160万回超えを記録。

今年5月9日に公開されたばかりの『あなたのことはそれほど』主題歌「CQCQ」のミュージックビデオは、1ヶ月足らずですでに180万回を超えている。

若年層を中心にネットで盛り上がりを見せた彼らの楽曲は、ドラマで流れることにより一般層へと波及。

そして彼らは、正体不明のままメジャーデビューを果たすこととなった。

――メジャーデビュー前にドラマ『あなたのことはそれほど』の主題歌に抜擢されたお気持ちは?

東野へいと 僕はこのバンドがなかったらただの素人なので、
地上波のテレビで自分の曲が流れているというのは、
純粋にうれしい気持ちと同時に、不思議な感じがして。

ただドラマに関していうと、僕としては恋愛はピュアでいたいので、
不倫をする美都(波留)さんにハラハラします(笑)。


どこのだれか 僕、芸能人もほとんど知らないんです。

だから最初にドラマ主題歌の話がきたときも、
すごいことなんだろうなっていうのはわかるけど、正直、実感がわきませんでした(笑)。



――「“神様、僕は気づいてしまった”ってなんだろう?」と思う視聴者も多いと思います。ミュージックビデオではマスクを被っていますし、プロフィールも明かしておらず正体不明。その意図は?


東野へいと 覆面バンドなので仕方ないとは思うんですけど、
決して正体を隠しているわけではないんです。

僕たちが本当に隠したいのは正体じゃなくて、自分たちの表情。

たとえばボーカルがすごく辛そうに歌ったら、どうしてもその表情が歌詞に乗ってしまう。

僕は曲を作るうえで、歌詞も含めてシステマティックに積み上げていくことが好きなので、
聴く人にちゃんと伝えるためには、表情が邪魔になってしまうんですよ。

楽曲をきちんと伝搬するにあたり、ノイズを乗せないという意味で、無機質でつるっとしたマスクをしているんです。

――“神様、僕は気づいてしまった”というバンド名も不思議です。

東野へいと 最初は何も決まってなかったんですけど、もし自分がバンドをやるなら…と考えたときに、こういうユニット名にしたいという気持ちがあって。
どこのだれか 僕はもともと、彼の作る音楽がすごく好きだったので、
彼と一緒でなかったら、そしてこの名前じゃなかったら、きっとバンドも組んでなかったと思います。

――バンド名の意味は?

東野へいと 10代の頃って、言葉にできないからこそ苦しい時期ってあるじゃないですか。
僕たち大人だって、人生で行き詰まったときは神様にすがってしまう。

自分の力で証明できない部分を、超常的な“神様”という形に押し込めてしまったりしますよね。

でも、それは思考停止することだし、どうなの?と思うわけです。

それに、そうやって“神様”とされた存在があるとするならば、
人間に甘えられて酔っているんじゃないかって。

“僕たちはちゃんとそういうことに気づいているよ”ってことを音楽で表現したくて、
この名前になりました。



ネットからテレビへ、主題歌で意識したのは『東京ラブストーリー』

――皆さんは、YouTubeで曲を公開したり、ネットとの親和性が高いですよね。


どこのだれか インターネットで僕たちの曲を聴いてくれる人は、
まず検索してクリックして、初めて僕らの音楽にたどりつくわけじゃないですか。

受け身ではなく、自ら探して求めてくれている。

動画の再生数って、本当に観られている数だと思うんですよね。

とはいえ、僕は別に有名になりたいという考えはまったくない。

僕たちは、自分たちの音楽の在り方、何を伝えたいのかということに重点を置いているんです。



――ドラマ『あなたのことはそれほど』で流れたことにより、ネットばかりでなくお茶の間にも皆さんの曲が届くようになりました。デビューシングル曲ともなる「CQCQ」は、どんな思いで作られたんでしょう。


東野へいと 脚本を読んで、どの歌詞がドラマの内容とリンクしているのか、
視聴者がわかるようにしたいと思いました。

それが、ドラマのタイアップでは大事なことだと思ったんですよね。

昔、ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年 フジテレビ系)の主題歌
「ラブ・ストーリーは突然に」について、小田和正さんが語っている
インタビューを読んだことがあって。

そこには、小田さんが最初に作った渾身の1曲が、ドラマに沿った歌じゃなかったから
ボツになったって書いてあった。

そのとき、“あれほどのビッグスターでも、ちゃんと書き直すんだ!”ってビリビリきたんです。

先輩たちは、ドラマと音楽で、リスペクトし合う友好な関係を築いてきた。

僕もそんな歴史を崩したくなかったんです。

だから今回、ドラマに沿うように、かつバンドとしても立たせたい曲を…と考えて、
人生の上での葛藤を船旅に例えて作りました。


どこのだれか この曲の歌詞はすごく好きです。

今まであまりなかった比喩表現や言葉遊び的なところもあって、今回は歌いやすい(笑)。

あと、サビになるとたくさんハモリが入っていまして、そこは僕のこだわりです。


普通の人が歌ったら破たんする」緻密な曲と真似できないボーカル
――どこのだれかさんの声は中性的で、ドラマでもすごく耳に残ります。




東野へいと 正直、自分の書く歌詞やギターは、どのバンドでもできることだと思うんですよね。

でも彼のボーカルは、絶対他のバンドには真似できない武器。

こいつの声、いいだろっていうのを伝えていきたいし、
彼が歌うことによって意味のある言葉を選びたいなと思ってます。


どこのだれか 以前は自分の声が好きじゃなかったんですよ。

いろいろ変化してはきているんですけど、今は自分の好きな歌が歌えていて、
少しずつ声も好きになりました。


東野へいと 僕らはあまり人間味がないバンドだけど、この声が乗ることによって、
フューチャー世代というか、新人類っぽさを感じられる気がします。



――ちなみに、そんなお二人がバンドを組もうと思ったきっかけは?

どこのだれか 彼(東野)の曲は、僕の好きなジャンル、やりたいジャンルにとても近くて。

なのに、“なんで自分の作る曲と違って、ものすごく緻密なんだろう”と思っていたんです。

自分は感覚で曲を作っているのに、彼はすべて計算して音楽を作っている。

“これが理系の脳なんだ!”と、尊敬しています。(笑)。


東野へいと 僕も、一番影響を受けたのは彼(どこのだれか)です。

それまで1人で音楽をやってきたので、バンドとかは正直、面倒くさいと思っていました。

それでも一緒にやりたい、やっていける人を見つけたので、今の形になりました。


どこのだれか 彼の音楽はもっと多くの人に聴かれるべきだと思って。

日本人の琴線に触れるメロディと歌詞だと思うので、こういう形で世に出させていただいたのは、
とてもうれしいです。


――非常に個性が強いお二人だと思いますが、実際に一緒にやってみていかがですか?


東野へいと 僕の作る音楽は、人が歌うようなメロディじゃなかったりして。

普通の人が歌ったら、絶対に破たんするんじゃないかって思います。


どこのだれか 彼の歌は死ぬほど難しいんですよ(笑)。


東野へいと でも、彼が歌うことによって、リスナーの人は難しさを感じない。

そうしてナチュラルな作品に昇華してもらっているので、彼との出会いは運命だと思います。


ライブは「やりたくない」? もしも紅白から出演依頼が来たら…
――こうしてデビューすると、今度はライブを観たいという声も上がるかと思いますが、その場合、覆面のままステージに上がることに?



どこのだれか まず最初に、「やりたくない」って言い出して、ひと悶着あると思います(笑)。

彼の音楽と僕の歌と、バンドみんなの楽器で奏でる作品はすでに完成している。

だから、それを生でやる意味があるのかって、思っちゃうタイプなので(笑)。


東野へいと 僕もまったく同じ意見。

ただ変わっていく自分を楽しみたい気持ちもあるので、
1回はトライしてみたいという気持ちもありますね。



――テレビの音楽番組は? もしも『NHK紅白歌合戦』から出演依頼が来たら…。


東野へいと 紅白は、親孝行になるから出たいかな。

親から見たら、自分たちのやってることって何をしているかもわからないでしょうし。

でも、息子がもしも紅白の舞台に立ったら、さすがにわかってくれるんじゃないかなって…。


どこのだれか そうだね。紅白は出てみたいかな。







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